はじめに昨今、耳にすることの増えたサステナブルというワード。持続可能な社会を目指して様々な業界での取り組みが増えてきました。特に製造業や小売業などの消費財を扱う分野において顕著にみられると感じています。そんな中、DXなどテクノロジーの分野でもサステナブルな取り組みが行われているのをご存じでしょうか。今回はそんなDXとGXを兼ね備えたソリューションのひとつ、「サステナブルWebデザイン」についてご紹介します。サステナブルWebデザインとは今回のテーマ、サステナブルWebデザインはアメリカのデジタルエージェンシーMightybytes社が提唱したWebデザインにおいて、ユーザーの利便性と環境への配慮を考慮したデザインを行う手法のことです。UXの向上はもちろんのこと電力消費量やCO2排出量の削減を行うことでサステナブルなデザインの実現を目指しています。インターネットにおける環境問題インターネットやデジタルなどは非物質のイメージが強く、ペーパーレス化やリモートワークの発達によりこれまで資源の使用を必要としてきたものがデジタルに置き換わることで環境への影響が少ないイメージがありますが、実情として環境への負荷を無視することのできない領域となっています。Lean ICT Reportによれば、インターネットに関連するCO2排出量は世界で排出される全体の量のうち約3.7%を占めており、一つの大国と同等の排出量を占めています。さらに世界のデータは二年ごとに2倍になるとされており、今後もDX化の進む世界において無視できない問題であると言えます。基本原則そんなデジタルの世界でサステナブルに配慮したサステナブルWebデザインとはどんなものなのでしょうか。2019年に英・Wholegrain Digital社をはじめとするデジタル業界の専門家がまとめた「サスティナブル・ウェブ・マニフェスト」には6つの基本原則が示されています。①Clean:再生可能エネルギーの使用②Efficient:使用するエネルギーや資源を最小限にする③Open:アクセシビリティが高く、オープンな情報交換やユーザーによるデータ制御が可能④Honest:ユーザーを誤解させるようなデザインやコンテンツを提供しない⑤Regenerative:人と地球を潤す経済活動を支援する⑥Resilient:強靭性があり、人々が最も必要とする時間や場所で問題なく機能する具体的な手法基本原則に基づき具体的な手法としてどのようなものがあるのでしょうか。分かりやすい例として消費電力の少ない色を使用することが挙げられます。普段何気なく使用している色でも表示した際の消費電力に差があるのをご存じでしょうか。ディスプレイではLEDが使用されていますが、使用する色により必要なエネルギーが異なります。LEDでの消費電力を簡単にまとめると下記の通りです。消費電力は白色や青色が大きく、赤色や黄色が比較的に低いです。その為、赤色や黄色を中心としたデザインの方がCO2排出量削減となります。その他の手法としてはLazy Loadを採用するなどが挙げられます。Lazy Loadと遅延読み込みのことを意味します。Webページを読み込む際に取得するデータを抑えることでサーバー間でのHTTPリクエスト数とデータ容量を削減することができます。これにより使用するユーザーが目にしない部分の読み込みをなくし、データ転送容量を抑えることでサーバー運営コストを下げると同時にCO2排出量の削減に繋がります。また、CO2削減の観点ではクラウド基盤の見直しなどが挙げられます。詳しくは下記の記事を読んでいただければどのくらい削減されるかなどが分かると思います。「【グリーンIT】クラウド活用によってGHG排出量はどれだけ削減できるの?」https://sa-today.jp/articles/greenit-cloudこちらの記事では環境への配慮としてWebデザインの観点ではなくグリーンITの観点でまとめましたので参考にしてください。終わりに今回はDXが進む世界においてもサステナブルな取り組みが重要であることからWebデザインといった観点をご紹介しました。テクノロジーの分野は今後の社会において切り離すことのできない業界であるとともにGXのカギを握ると考えられます。こういったテクノロジー分野での取り組みを今後も発信していきますので是非、本サイトに定期的に足を運んでいただければと思います。