本稿は、2050年カーボンニュートラル目標の達成という国家的な課題と、その主要な政策手段であるGX-ETS（グリーン・トランスフォーメーション排出量取引制度）の本格稼働を目前に控えた、日本の気候変動政策の歴史的な岐路を分析の出発点とする。この重要な移行期において、与党である自由民主党の党首、すなわち次期内閣総理大臣が示す政策的方向性は、国家のエネルギー・環境戦略の将来を決定づける極めて重要な要素となる 1。

問題提起

本稿で分析対象とする高市早苗、小泉進次郎、茂木敏充、林芳正、小林鷹之の5氏は、党内における異なるイデオロギーや政策潮流を代表する存在である。彼らの環境・エネルギー政策に関する思想、過去の実績、そして関連する産業界や市民団体との繋がりを深く考察することは、単なる政策の羅列に留まらない。本稿の目的は、誰が総裁に就任した場合に、日本のカーボンクレジット市場がどのように変容し、その機能と役割がどう定義されるのかを予測し、多角的に分析することにある。

第1章：日本のカーボンプライシングの現在地と制度的背景

1.1 J-クレジット制度の現状と課題

J-クレジット制度は、省エネルギー設備の導入、再生可能エネルギーの利用、または適切な森林管理などによって実現された温室効果ガスの排出削減量や吸収量を、国が「クレジット」として認証するボランタリー（任意参加型）な仕組みである 3。2024年時点での累計認証量は1,208万t−CO2、登録プロジェクト数は1,262件に達しており、企業の自主的な環境貢献活動を可視化する初期的な役割を果たしてきた。

しかし、本制度は国家全体の排出削減を強力に推進するには構造的な課題を抱えている。第一に、クレジットの取引が相対取引を主としているため市場全体の流動性が低く、需給を反映した透明性のある価格形成がなされていない点が指摘されている。第二に、プロジェクトの計画書作成から妥当性確認、モニタリング、認証に至る手続きが複雑であり、申請からクレジットが販売可能になるまで平均5ヶ月、ケースによっては約4年という長期間を要することもある。これは、特にリソースの限られる中小企業にとって高い参入障壁となっている。第三に、創出されるクレジット量が小規模なプロジェクト（年間300トン以下が約7割）が多く、クレジット単価も低水準に留まっているため、プロジェクト実施者側にとっての経済的インセンティブが限定的であるという問題がある 6。

これらの制度的限界は、J-クレジット制度が企業の自主的な取り組みを促す初期段階のツールとしては機能したものの、2030年度に46%削減という野心的な国家目標を達成するための主要な政策ドライバーにはなり得ないことを示唆している。大規模な脱炭素投資を促すための強力な価格シグナルとして機能するには、流動性、価格発見機能、手続きの簡便性のいずれもが不十分であった。この構造的な限界こそが、より強制的で市場規模の大きいGX-ETSの導入を不可避なものとした根本的な理由であり、GX-ETSはJ-クレジットの単なる後継制度ではなく、ボランタリーからコンプライアンス（遵守義務）へと市場の性質を根本的に転換させるパラダイムシフトと位置づけられる。

1.2 GX-ETSへの移行：制度設計と今後の展望

日本のカーボンプライシングは、GX-ETSの導入により新たな段階へと移行する。この制度は、段階的なアプローチを採用しているのが特徴である。第1フェーズ（2023-2025年度）は、経済産業省が主導する「GXリーグ」に参加する企業による自主的な排出量取引の試行期間であり、本格稼働に向けた制度への習熟、いわば「ドレスリハーサル」と位置づけられている。この期間において、参加企業は排出削減目標を設定するが、目標が未達の場合でも罰則は課されず、超過削減枠やカーボンクレジットの調達、または未達理由の説明が求められるに留まる。

制度の核心は、2026年度から開始予定の第2フェーズにある。ここでは排出量取引制度が法的な枠組みの下で本格的に始動し、対象となる企業には排出削減が義務化される方向で検討が進んでいる。当時の岸田文雄首相は2024年1月の施政方針演説において、大企業の参加義務化や、国が個社の削減目標を認証する制度の創設を視野に入れた法制化を進める考えを明言しており、制度の強制力は格段に高まる見込みである。

さらに将来の制度強化も見据えられている。第3フェーズ（2033年度以降）には、発電事業者を対象として排出枠の一部を有償で割り当てる「有償オークション」が段階的に導入される計画である。これにより、電力由来の炭素コストが電力価格に直接的に反映され、電源の脱炭素化を加速させることが期待される。これと並行して、2028年度からは化石燃料の輸入事業者等を対象とした「化石燃料賦課金」（実質的な炭素税）の導入も予定されており、カーボンプライシングは多層的な制度へと発展していく。

このようにGX-ETSの長期的なロードマップは描かれているものの、その実効性は今後の細則設計に大きく依存する。特に、第2フェーズにおける「排出枠の初期割当方法（無償か有償か、その比率と基準）」、「価格の乱高下を防ぐための安定化措置（上限・下限価格）の有無と水準」、「J-クレジット等の活用に関する上限設定」といった制度の核心部分の詳細は、依然として政治的な決定に委ねられている。これらの変数は、市場が発する価格シグナルの強弱を直接的に左右し、産業界の負担に直結する。したがって、次期総裁がこれらの「政治的裁量」をどのように行使するかによって、GX-ETSが強力な排出削減ツールとなるか、あるいは産業界に配慮した緩やかな制度に留まるかが決定づけられる。この裁量の余地こそが、総裁選の結果が市場に与える影響を分析する上での核心的な論点となる。

1.3 産業界の視点：経団連の提言と政策的影響

産業界、特に日本経済団体連合会（経団連）は、カーボンプライシングの議論において一貫して強い影響力を行使してきた。経団連は、炭素税や義務的な排出量取引制度の導入に対しては、短期的なコスト負担増が企業の国際競争力を削ぐとの強い懸念から、慎重な姿勢を崩していない。

その代わりに経団連が提唱するのが、「成長に資するカーボンプライシング」という概念である。これは、CO2排出に対するペナルティとしてではなく、企業の自主的な取り組みやイノベーション創出に向けた投資を促すインセンティブとして制度を設計すべきだという考え方に基づいている。具体的には、J-クレジットのようなクレジット取引を「有力なオプション」として評価しつつ、政府に対しては、官民で今後10年間に150兆円超の投資を引き出すための包括的な政策パッケージ、すなわち「成長志向型カーボンプライシング」構想の実現を強力に提言している。

この経団連の提言は、政府の政策形成に決定的な影響を与えている。政府が策定した「GX実現に向けた基本方針」や、自民党のGX実行本部が掲げる目標において、この「150兆円」という数値は中心的な指標として共有されている。この事実は、日本のカーボンプライシングに関する議論が、純粋な環境政策の領域に留まらず、産業政策の一環として位置づけられていることを明確に示している。「成長志向型」という形容詞は、排出削減の絶対的な義務よりも経済成長との両立を優先するという産業界の意向を反映した、政治的妥協の産物と解釈できる。したがって、各総裁候補者と経団連との距離感や連携の度合いは、その候補者が総裁に就任した際のカーボンクレジット市場の規制の厳格さや制度設計の方向性を予測する上で、最も重要な指標の一つとなる。

第2章：総裁選候補5名の環境・エネルギー政策の徹底比較

2.1 高市早苗氏：国家安全保障と革新技術主導のエネルギー戦略

思想的背景と政治信条:

高市早苗氏の政治思想の根幹には、「国民の生命、国土と資源、国家の主権と名誉を守ること」を政治の究極の使命とする、明確な国家観が存在する。この保守的な政治信条は、彼女のエネルギー政策にも色濃く反映されており、エネルギーを単なる経済・環境問題としてではなく、国家の存立と自律性に関わる経済安全保障の中核的課題として捉えている。

政策の核心—技術的ブレークスルーへの傾倒:

彼女のエネルギー戦略は、既存技術の漸進的な改善ではなく、革新的な技術開発によるブレークスルーを目指す点に最大の特徴がある。

次世代原子力の強力な推進: 彼女は、小型モジュール炉（SMR）や、特に核融合炉の開発を「国家プロジェクト」として強力に推進する姿勢を繰り返し表明している 22。2021年の総裁選出馬時には、当時の第6次エネルギー基本計画案を「書き直す」と公言し、核融合炉開発を国家戦略に明確に位置づける意向を示した。自らが科学技術担当大臣として日本初となる「フュージョンエネルギー戦略」を策定した実績を強調し、この戦略が民間スタートアップへの100億円単位の投資を呼び込む契機になったと主張している。彼女の原子力技術、特に革新炉に関する知識と関心は「マニアック」と評されるほど深く、具体的な炉の名称を挙げてその可能性を語るなど、強い思い入れがうかがえる。
国産資源開発の重視: エネルギー自給率の向上と資源の安定確保という観点から、南鳥島周辺海域に眠るレアアースや、日本近海に賦存するメタンハイドレートといった国内海底資源の開発を国家として急ぐべきだと強く主張している。

実績と関連団体との繋がり:

彼女の政策志向は、過去の行動にも裏付けられている。自民党政務調査会長時代には、核融合実験装置「JT-60SA」への予算措置を後押しした。科学技術担当大臣としては、前述のフュージョンエネルギー戦略の策定を主導した。また、「未来社会を創出する、バッテリー等の基盤産業振興議員連盟」に参画するなど、先端技術を有する産業界との連携を重視する姿勢が見て取れる。政治資金に関しては、自身の資金管理団体である「新時代政策研究会」への寄付が政治資金収支報告書で確認できるが、特定のエネルギー関連企業との顕著な関係は公開資料からは断定できない。一方で、過去には人材派遣会社パソナグループとの関係性が国会で指摘されたこともある。

高市氏の政策体系は、核融合やSMRといった「ゲームチェンジャー」となりうる革新技術への集中的な国家投資にその重心を置いている。彼女の言説からは、カーボンクレジット市場のような市場メカニズムを通じて、地道にCO2排出量を削減していくアプローチへの関心は低いことがうかがえる。これは、国家の威信をかけた巨大技術プロジェクトによってエネルギー安全保障と脱炭素という二つの課題を一挙に解決しようとする、彼女の国家観と整合的なアプローチである。彼女のリーダーシップの下では、GX政策の予算配分が、市場メカニズムの育成から特定の先端技術研究開発分野へと大きくシフトする可能性が極めて高い。

2.2 小泉進次郎氏：「再エネ最優先」と市場メカニズムの推進

思想的背景と政治信条:

小泉進次郎氏は、次世代を見据えた未来志向の改革を掲げ、従来の自民党の支持基盤とは異なる若い世代や多様なステークホルダーとの対話と連携を政治信条の中心に据えている。この姿勢は、環境政策を政府がトップダウンで進めるだけでなく、産業界、自治体、NGO、そして市民一人ひとりを巻き込んだ社会全体のムーブメントとして醸成しようとする彼独自の手法に明確に表れている。

政策の核心—マルチステークホルダー型のアプローチ:

彼の環境政策は、具体的な目標設定と、それを実現するための多様な主体を巻き込む戦略が両輪となっている。

「再エネ最優先の原則」の確立: 環境大臣在任中、日本のエネルギー政策の根幹をなすエネルギー基本計画に「再生可能エネルギー最優先の原則」を明記させたことは、彼の最大の功績の一つである。これは、長らく化石燃料と原子力を中心に構築されてきた日本のエネルギー政策の基本方針を転換させる画期的な成果であった。
カーボンプライシングの強力な推進: 候補者の中で、カーボンプライシングの導入に最も積極的である。環境大臣として、排出量取引やクレジット制度を含むカーボンプライシングの本格導入を税制改正要望に盛り込むなど、市場メカニズムの活用を一貫して主張してきた。近年の総裁選討論会においても、炭素税の導入に前向きな姿勢を明確に示している。
公民連携とボトムアップ戦略: 彼の戦略は、中央政府の決定だけに頼らない。全国で100カ所の「脱炭素先行地域」を選定し、その地域の国会議員による100人規模の超党派議員連盟を創設するという構想を掲げている。これは、地方からのボトムアップの動きを国政に繋げる狙いがある。また、外食産業（ロイヤルホスト、デニーズ）と連携した食品ロス削減キャンペーン「mottECO」の展開や、環境NGO・NPOとの積極的な対話など、非国家主体（ノンステートアクター）を巻き込むことで、政策推進の機運を高める「中央政府包囲網」とも言える戦略を得意とする。

実績と関連団体との繋がり:

環境大臣としての具体的な実績は、他の候補者と比較して群を抜いている。2050年カーボンニュートラルを改正温対法に法律として明記し、2030年度の46%削減目標（さらに50%の高みを目指す）の設定を主導、国際的にも先進的なプラスチック新法の成立、G20で合意された海洋プラスチックごみゼロ目標「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」の推進など、枚挙に暇がない。

彼のネットワークは、環境NGO、地方自治体、日本財団のような公益団体など、多岐にわたる。一方で、政治とカネの問題には敏感であり、企業・団体献金のあり方について問題提起を行っている。これは、従来の産業界との癒着構造とは一線を画し、クリーンなイメージを構築しようとする彼の政治姿勢を反映している。

小泉氏にとって、環境政策は単なる政策目標の達成手段に留まらない。それは、自身の政治的アイデンティティを確立し、自民党内に新たな支持基盤を構築するための戦略的ツールとしての側面が強い。彼が推進する「脱炭素先行地域」とそれを軸とした議員連盟構想は、党内の旧来の派閥や族議員といった権力構造に対抗しうる、政策を軸とした新たな政治集団を形成する試みと解釈できる。環境政策をテコとして、自民党の意思決定プロセスそのものを変革しようとする彼の野心的なアプローチは、総裁に就任した場合、政策の中身だけでなく、その実現プロセスにおいても大きな変革をもたらす可能性を秘めている。

2.3 茂木敏充氏：経済成長のエンジンとしてのGX

思想的背景と政治信条:

茂木敏充氏の政策思想は、丸紅やマッキンゼー・アンド・カンパニーといった民間企業での経験に裏打ちされた、徹底した経済合理性と結果主義によって特徴づけられる。彼の「経済で失敗すれば政権が倒れ、外交で失敗すれば国が傾く」という発言は、経済政策を政権運営の最優先課題と位置づける彼の認識を端的に示している。あらゆる政策を経済成長と結びつけて考える傾向が強く、彼が掲げる「増税ゼロでの政策推進」という公約も、経済成長による税収増を財源とするという考え方が基本にある。

政策の核心—産業政策としてのGX:

茂木氏にとって、グリーントランスフォーメーション（GX）は環境問題への対応であると同時に、日本経済を再浮上させるための重要な成長戦略である。

GXと経済成長の直結: 彼はGXを、「ディープテックを支える半導体や、データの蓄積へとつながる新しい経済の生態系を循環させる鍵」と定義し、明確に経済成長戦略の一部として位置づけている。脱炭素化をコストではなく、新たな産業と雇用を生み出す機会と捉えている。
大規模投資の推進: 自らが本部長を務める党GX実行本部において、官民合わせて150兆円規模の投資を実現するという野心的な目標を掲げている。この目標達成のために、規制と支援を一体的に整備し、企業がGX関連事業に投資しやすい環境を整えることを政策の中心に据えている。
エネルギー源の現実的選択: エネルギー政策においては、イデオロギーよりも安定供給と経済性を重視する現実的なアプローチをとる。安全性の確保を大前提とした上での原子力の活用（新増設も含む）や、天然ガスを原料とする合成メタン（e-methane）といった次世代クリーン電源の拡大を志向しており、再生可能エネルギー一辺倒ではない、バランスの取れた電源構成を目指している。

実績と関連団体との繋がり:

経済産業大臣、経済再生担当大臣、党政務調査会長、そして幹事長と、長年にわたり党と政府の経済・産業政策の要職を歴任してきた経験は、彼の政策実行能力の基盤となっている。党GX実行本部長として、政府のGX政策に関する党内議論を主導してきた。

彼の最大の強みは、経団連をはじめとする産業界との極めて緊密な関係である。経済産業大臣時代から経団連との懇談会を定期的に開催し、党幹事長としても経団連のGX提言と歩調を合わせた政策運営を行ってきた。また、「GXにおける天然ガスの高度利用とe-methane促進議連」を自ら立ち上げるなど、特定のエネルギー関連産業界との連携も密である。政治資金の面では、複数の政治団体間での資金移動が指摘されており、伝統的な自民党の資金調達手法と高い親和性を持つことを示唆している。

茂木氏が描くGX政策は、経団連の提言を忠実に反映した「官民協調」モデルである。彼が目指すのは、市場原理に全てを委ねるのではなく、政府と産業界が150兆円という壮大な投資目標に向かって二人三脚で計画的に進める、日本的な産業政策の実現である。この文脈において、カーボンクレジット市場は、産業界に過度な経済的負担をかけることのないよう、価格や取引量が慎重に「管理」される可能性が高い。彼のリーダーシップの下では、GX-ETSは急進的な排出削減を強いるツールとしてではなく、経済成長を損なわない範囲で、企業に予測可能性の高い安定した投資環境を提供するための調整弁として設計・運用されることが予想される。

2.4 林芳正氏：国際協調を軸とする現行政策の継承

思想的背景と政治信条:

林芳正氏は、外務大臣や内閣官房長官といった政権の枢要なポストを歴任し、その安定感と卓越した調整能力に定評がある。彼が掲げる「人にやさしい政治、『仁』の政治」という理念は、急進的な改革よりも、多様なステークホルダー間の合意形成を重んじる彼の政治姿勢を象徴している。豊富な外交経験から、国内政策を立案する際には常に国際秩序との連動性を意識しており、法の支配に基づく国際協調を基本スタンスとしている。

政策の核心—現行GX政策の着実な実行:

彼の環境・エネルギー政策は、新たなビジョンを打ち出すことよりも、既存の政策フレームワークを着実に実行することに重点を置いている。

岸田政権の政策継承: 岸田政権の内閣官房長官としてGX政策の推進に深く関与してきた経緯から、その基本的な枠組みを継承し、推進する立場を明確にしている。これは、政策の継続性と予見可能性を重視する彼の姿勢の表れである。
国際的枠組みの重視: 官房長官として地球温暖化対策推進本部の議長を務め、日本の国際公約である「2030年度に温室効果ガスを2013年度から46%削減し、さらに50%の高みに向けて挑戦を続ける」という目標の達成に向けた国内計画の策定を主導した。外務大臣としても、気候変動を人類共通の課題と位置づけ、主要排出国を含む全ての国による取り組みの強化を国際社会に訴えてきた。
外交と環境の連携: 彼の政策アプローチでは、環境問題は外交・安全保障問題と密接に結びついている。特に、気候変動に起因する海面上昇が日本の領土や排他的経済水域（EEZ）といった海洋権益に与える影響について、党の領土に関する特別委員会から提言を受けるなど、環境問題を国家主権の観点から捉える視点も併せ持つ。

実績と関連団体との繋がり:

内閣官房長官として、日本の新たな「地球温暖化対策計画」の改定を取りまとめた実績を持つ。外務大臣としては、G7をはじめとする数々の国際会議の場で気候変動問題を主要な議題として扱ってきた。

彼の人的ネットワークは、長年の議員活動と閣僚経験を通じて築かれた国内外の幅広い人脈に支えられている。かつて日中友好議員連盟の会長を務めた経歴も持つなど 70、特に外交コミュニティとの繋がりが深い。特定の産業界や環境団体との強い結びつきを示す資料は限定的であるが、2020年に閣僚として集めた企業・団体献金額は、当時の岸田首相に次いで2番目に多く、伝統的な政界・財界との良好な関係を維持していることがうかがえる。

林氏の政策スタンスは、市場や国際社会に対して高い予測可能性と安定性を提供する一方で、政策のダイナミズムを欠き、改革が停滞するリスクを内包している。彼が継承を目指す岸田政権のGX政策は、産業界の意向を強く反映したものであり、その基本的な枠組みを大きく転換することは考えにくい。国際公約である46%削減目標の達成は目指すものの、そのための国内政策、特にカーボンプライシングの強化に関しては、産業界や党内の保守派からの反発を招くような急進的な改革には踏み込まないと予想される。彼のリーダーシップは、国際社会に対しては「責任あるパートナー」としての日本の立場を維持する上で有効に機能するが、国内のカーボンクレジット市場の深化や価格シグナルの強化といった点では、現状維持に留まる可能性が高い。

2.5 小林鷹之氏：経済安全保障を基軸とした環境技術戦略

思想的背景と政治信条:

小林鷹之氏の政策思想の根幹を形成しているのは、初代経済安全保障担当大臣としての経験である。彼は経済と安全保障を不可分一体のものとして捉え、激化する国際的な技術覇権競争の中で、日本が国際社会にとって必要不可欠な存在となるための「戦略的不可欠性」を高めることを国家戦略の中心に据えている。

政策の核心—技術主導のエネルギー安全保障:

彼の環境・エネルギー政策は、この経済安全保障という包括的なフレームワークの中に明確に位置づけられている。

エネルギー政策と経済安保の統合: 政策集において、データ駆動型社会の到来に伴う電力需要の激増を踏まえ、「電力安定供給とエネルギー安全保障を強化します」と明記している 75。電源構成については、再生可能エネルギーの導入を進めつつも、小型モジュール炉（SMR）や核融合発電を含む原子力発電も活用する「電源のベストミックス」を追求する現実的な路線をとる。
戦略分野への集中投資と輸出戦略: 彼は、日本が強みを持つ、あるいは持たなければならない戦略分野として、グリーン、航空・宇宙、半導体などを特定している。特に、国産再生可能エネルギー（次世代型のペロブスカイト太陽電池や洋上風力）、水素関連技術、SMR、核融合といった分野に、予算、税制、規制・制度を総動員し、将来的な技術輸出も視野に入れた大胆な実証・開発支援を行うことで、日本を現在の「エネルギー輸入国から輸出国へ」と転換させることを目指している。
技術流出防止と国内サプライチェーン強靱化: 経済安全保障の観点から、先端的な環境・エネルギー技術の海外流出を防ぐための「セキュリティ・クリアランス」制度などの法整備を重視している。同時に、ペロブスカイト太陽電池や洋上風力発電といった戦略分野において、国内のサプライチェーンを強靱化し、部材や人材の国内確保を図ることを政策として掲げている。

実績と関連団体との繋がり:

初代経済安全保障担当大臣として、経済安全保障推進法の制定をはじめとする法制度の整備を主導した実績を持つ。退任後も、党の経済安全保障推進本部長として政策提言を続けるなど、この分野における第一人者としての地位を確立している。

彼のネットワークは、経済安全保障や先端技術に関連する議員連盟や党の役職を通じて、関連する技術系企業、研究機関、防衛産業との間に築かれていると推察される 74。また、近年台湾を訪問し、半導体供給網における「非レッド・サプライチェーン（中国排除）」の構築を協議するなど、地政学的リスクを共有するパートナーとの連携を重視する姿勢も鮮明である。政治資金パーティーには、株式会社近藤商会や株式会社富澤商店といった企業が参加している記録がある。

小林氏の政策フレームワークにおいて、環境政策はそれ自体が究極的な目的ではなく、経済安全保障という上位の国家目標を達成するための重要な「手段」として位置づけられている。彼が最も重視するのは、ペロブスカイト太陽電池やSMRといった、日本が国際的な優位性を確保しうる「戦略的技術」の育成と、その技術的優位性を国家の交渉力として活用することである。この文脈では、カーボンクレジット市場は、これらの戦略的技術の開発や国内導入を促進するためのインセンティブ設計の一部として活用される可能性はあるが、市場そのものの発展が最優先課題とはならない。彼のリーダーシップの下では、市場は国家戦略に奉仕する形で設計され、特定の戦略技術の導入によって創出されたクレジットに何らかの付加価値（プレミアム）を与えるなど、政策的な誘導が強く行われる可能性がある。

表1：候補者の環境・エネルギー政策比較マトリクス

項目	高市早苗	小泉進次郎	茂木敏充	林芳正	小林鷹之
思想的基軸	国家安全保障・資源主権	次世代改革・公民連携	経済成長・産業競争力	安定・国際協調	経済安全保障・技術主権
主要エネルギー源	次世代原子力（核融合、SMR）	再生可能エネルギー	全方位（原発、再エネ、クリーン火力）	現行ベストミックスの維持	戦略的技術（再エネ、水素、次世代原子力）
CPのスタンス	消極的（技術開発優先）	積極的（炭素税も視野）	慎重（成長志向型、産業界主導）	現状維持（現行GX-ETSの推進）	条件付き（戦略的技術の促進手段として）
主要連携団体	技術・重工業界、保守派論壇	環境NGO、地方自治体、国際機関	経団連、エネルギー産業界	外交コミュニティ、官僚機構	技術・防衛産業、経済安保専門家
関連閣僚・党務経験	総務相、科学技術担当相、政調会長	環境相	経産相、外相、経済再生相、幹事長	外相、官房長官、農水相	経済安全保障担当相

第3章：総裁選の結果がカーボンクレジット市場に与える影響のシナリオ分析

3.1 【小泉シナリオ】規制強化と市場拡大

小泉進次郎氏が総裁に就任した場合、日本のカーボンクレジット市場は最も急速な拡大と価格上昇を経験する可能性が高い。彼が環境大臣時代から一貫して主張してきた「再エネ最優先」原則 30 と、炭素税導入も辞さないとするカーボンプライシングへの強い意欲 34 は、2026年度から本格稼働するGX-ETSにおいて、企業の排出枠の割当をより厳格化し、削減義務を強化する方向へと作用するだろう。これにより、排出枠を超過した企業によるクレジット需要が飛躍的に増大することが予想される。

また、彼の国際連携を重視する姿勢と、国内外の環境NGOとの広範なネットワーク 36 は、国際的に認知されたボランタリークレジット（例：Verra, Gold Standard等）の国内市場での活用を促進し、クレジットの質の向上と多様化をもたらす可能性がある。さらに、彼が推進する「脱炭素先行地域」プロジェクト 31 から、森林吸収や地域再エネ事業など、多様な地域主導型のクレジットが市場に供給され、市場全体の厚みが増すことも期待される。

このシナリオの下では、クレジット価格は需給の逼迫を背景に高騰し、炭素の価格シグナルが明確になることで、企業の本格的な脱炭素投資が加速する。市場は流動性を増し、単なるコンプライアンス手段から、金融商品としての性質を強めていくだろう。

3.2 【茂木シナリオ】産業界主導の緩やかな市場形成

茂木敏充氏のリーダーシップの下では、カーボンクレジット市場は彼が提唱する「成長志向型カーボンプライシング」構想 17 の理念に基づき、産業界の国際競争力を損なわないよう慎重に運営される。経団連との極めて強い連携関係 57 を背景に、GX-ETSの第2フェーズにおける排出枠の初期割当は、大半が過去の実績等に基づいた無償割当（グランドファザリング方式）となる可能性が高い。

このアプローチは、急激なコスト増による産業界の混乱を避けることを最優先する。そのため、クレジット価格の急騰を抑制するための市場介入、例えば価格の上限設定（プライスキャップ）や、政府が保有するクレジットの追加供給といった価格安定化措置が導入される公算が大きい。結果として、クレジット価格は低位で安定し、企業の投資計画における予見可能性は高まる一方で、排出削減を促すインセンティブとしての機能は弱まることになる。

このシナリオでは、クレジット需要はコンプライアンスに必要な最低限のレベルに留まり、価格は低迷する可能性が高い。市場は、排出削減の主要なドライバーとして機能するのではなく、政府と産業界が一体で進める150兆円規模のGX投資を補完する、副次的な役割を担うことになると考えられる。

3.3 【高市・小林シナリオ】技術主導・国家プロジェクト優先

高市早苗氏または小林鷹之氏が総裁となった場合、GX政策の重心が市場メカニズムの活用から、国家主導の巨大技術開発プロジェクトへと大きくシフトする。高市氏が掲げる核融合 23 や、小林氏が重視するSMR、水素、ペロブスカイト太陽電池といった特定の戦略分野 78 に、GX関連予算が重点的に配分されることになる。その結果、カーボンクレジット市場の育成や活性化に対する政策的関心や財政的支援は相対的に低下するだろう。

市場そのものは存続する可能性が高いが、その役割は限定的になる。特に、既存のJ-クレジット制度の中心である森林吸収や省エネルギーといった従来型のプロジェクトへのインセンティブは弱まる可能性がある。一方で、小林氏の経済安全保障戦略 75 の下では、市場が国家戦略のツールとして活用されることも考えられる。例えば、ペロブスカイト太陽電池のような国産技術の導入によって創出されたクレジットに、何らかの付加価値（プレミアム価格での買い取りや、義務達成における優遇措置など）を与えることで、特定の戦略技術の普及を後押しするような、非対称的な市場設計がなされる可能性も否定できない。

このシナリオでは、市場全体の成長は停滞することが予想される。クレジットの需要・供給ともに低調に推移し、市場は一部の戦略分野を支えるニッチな存在に留まる。政策の主役は、多様な市場参加者ではなく、国家プロジェクトを担う一部の大企業や研究機関となるだろう。

3.4 【林シナリオ】現状維持と予測可能性

林芳正氏の政権では、岸田政権下で策定されたGX-ETSのロードマップ 7 が、大きな変更なく継承される可能性が最も高い。彼の安定志向と調整能力は、政策の継続性を担保し、市場参加者にとっては高い予測可能性の下で事業計画を立案できるというメリットをもたらす。

2026年の本格稼働、2028年の化石燃料賦課金導入、2033年の有償オークション導入といった既存のスケジュールは維持されるだろう。しかし、それぞれの段階における規制の強度、例えばオークションで有償化される排出枠の比率や、賦課金の税率といった具体的な数値設定においては、産業界への配慮から、国際的に見て必ずしも野心的な水準には設定されない可能性が高い。彼の合意形成を重んじる政治スタイルは、急進的な改革を避ける方向に作用すると考えられる。

このシナリオでは、市場は既存のロードマップに沿って段階的に発展するが、そのペースは緩やかである。クレジット価格は緩やかに上昇するものの、急騰する小泉シナリオと低迷する茂木シナリオの中間的な水準に落ち着くと予想される。大きな政策的混乱はないが、市場の飛躍的な拡大や、価格シグナルによる劇的な産業構造の転換も期待しにくい、漸進的な展開となるだろう。

表2：総裁選の結果がカーボンクレジット市場に与える影響予測

影響変数	小泉シナリオ	茂木シナリオ	高市・小林シナリオ	林シナリオ
クレジット需要	高	中	低	中
供給の重点分野	多様（地域、再エネ、国際）	産業由来（技術削減）	限定的（戦略技術由来）	現状維持（J-クレジット中心）
価格上昇圧力	強	弱	非常に弱い	緩やか
規制強化の方向性	急進的	漸進的・産業界配慮	市場メカニズム軽視	計画通り・安定的

結論

分析の総括

本稿の分析は、自民党総裁選の候補者5名が提示する環境・エネルギー政策が、単なる政策の濃淡の違いではなく、「国家安全保障」「経済成長」「市場メカニズム」「国際協調」という、それぞれが依拠する異なる国家観に基づいた、根本的に異なる未来へのビジョンであることを明らかにした。高市氏と小林氏は安全保障の観点から国家主導の技術開発を最優先し、茂木氏は経済成長を至上命題として産業界との協調路線を歩む。小泉氏は市場原理と公民連携による社会全体の変革を志向し、林氏は国際的枠組みの中での安定的な政策運営を重視する。

カーボンクレジット市場への最終的示唆

これらのビジョンの違いは、日本のカーボンクレジット市場の将来像に決定的な影響を与える。総裁選の結果は、同市場が「排出削減を強力にドライブする核心的メカニズム」へと成長するのか、あるいは「産業政策のコストを調整するための補完的手段」に留まるのか、さらには「国家主導の技術開発プロジェクトの陰でその重要性を低下させる」のか、その運命を左右するだろう。市場の規制強度、価格水準、流動性、そして国際市場との接続性といった全ての要素が、次期総裁の政策思想によって大きく規定されることになる。

日本のカーボンニュートラルへの展望

最終的に、どの候補者のビジョンが選択されるかは、日本が2050年カーボンニュートラルを達成するための道のりの性質そのものを決定づける。市場の力を最大限に活用し、地方自治体や市民を含む広範な主体を巻き込みながら、多様なアプローチで目標達成を目指すのか。それとも、国家が選別した特定の革新技術に未来を賭け、集中的な投資によってブレークスルーを図るのか。来る自民党総裁選は、単なるリーダー選びに留まらず、日本の環境と経済の未来に関するこの重大な選択を、国民に、そして世界に示すことになる。

引用文献

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GX-ETS第2フェーズの義務化に備える。担当者が今知るべき最新動向とクレジット活用のポイント, 9月 16, 2025にアクセス、 https://www.bluedotgreen.co.jp/column/emissinncalculation-cfp/gx-ets/
GXリーグで始まる新しい日本のカーボンプライシング | 新たなステージに入った世界のカーボンプライシング - 特集 - 地域・分析レポート - 海外ビジネス情報 - ジェトロ, 9月 16, 2025にアクセス、 https://www.jetro.go.jp/biz/areareports/special/2024/0502/7a7acfff235626df.html
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民間企業のGX投資活性化を後押し関係会議がGX推進法改正案を了承 | お知らせ - 自由民主党, 9月 16, 2025にアクセス、 https://www.jimin.jp/news/information/210014.html
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自由民主党・茂木敏充幹事長に聞く！これからの日本のグランドデザイン【後編】 - 政治ドットコム, 9月 16, 2025にアクセス、 https://say-g.com/interview-motegi-toshimitsu-8452
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自民党総裁選に出馬表明！茂木敏充氏のプロフィール、政策は ..., 9月 16, 2025にアクセス、 https://go2senkyo.com/articles/2025/09/10/120979.html
経済再生を、実行へ - 茂木としみつオフィシャルウェブサイト, 9月 16, 2025にアクセス、 https://motegi.gr.jp/plan/
経済再生を、実行へ茂木敏充候補所見発表演説要旨 | お知らせ | ニュース - 自由民主党, 9月 16, 2025にアクセス、 https://www.jimin.jp/news/information/209011.html
「わが国の国際的存在感向上につなげる」GX実行本部を開催 | お知らせ - 自由民主党, 9月 16, 2025にアクセス、 https://www.jimin.jp/news/information/208215.html
自民党・茂木敏充幹事長が会見総裁選に向け政策を発表（2024年9月5日） - YouTube, 9月 16, 2025にアクセス、 https://www.youtube.com/watch?v=k5iJA8qGI6I
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企業団体献金禁止自民・野党案は抜け道だらけ受け手の規正が必要！玉木雄一郎が解説, 9月 16, 2025にアクセス、 https://www.youtube.com/watch?v=MpSKfDvFjNU
次の首相は誰？有力候補4名の政策と関連24銘柄 | 資産運用の 1st STEP, 9月 16, 2025にアクセス、 https://media.paypay-sec.co.jp/cat5/jisha250908
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経済安全保障担当小林鷹之 (こばやしたかゆき) | 第２次岸田内閣閣僚名簿, 9月 16, 2025にアクセス、 https://www.kantei.go.jp/jp/101_kishida/meibo_a/daijin/kobayashi_takayuki.html
経済安全保障担当小林鷹之 (こばやしたかゆき) | 岸田内閣閣僚等名簿 - 首相官邸ホームページ, 9月 16, 2025にアクセス、 https://www.kantei.go.jp/jp/100_kishida/meibo/daijin/kobayashi_takayuki.html
小林鷹之｜候補者情報｜総裁選挙2024 - 自由民主党, 9月 16, 2025にアクセス、 https://www.jimin.jp/election/results/sousai24/candidate/kobayashi_takayuki.html
理念・政策 | 小林鷹之事務所, 9月 16, 2025にアクセス、 https://kobayashi-takayuki.jp/policy/
初代経済安全保障大臣・小林鷹之氏が解説！今考えるべき経済安全保障【笹川平和財団 SPF CROSS TALK】 - YouTube, 9月 16, 2025にアクセス、 https://www.youtube.com/watch?v=in2sDfOQxOA
世界をリードする国へ。小林鷹之候補所見発表演説要旨 | お知らせ - 自由民主党, 9月 16, 2025にアクセス、 https://www.jimin.jp/news/information/209017.html
する国へ。 - 衆議院議員小林鷹之, 9月 16, 2025にアクセス、 https://kobayashi-takayuki.jp/cms/wp-content/uploads/2024/10/2409_kobayashitakayuki_policy12P.pdf
初代経済安全保障大臣・小林鷹之氏が激白先端技術の海外流出を ..., 9月 16, 2025にアクセス、 https://www.youtube.com/watch?v=XHF395UBzi0
セキュリティ・クリアランス法案の概要（小林鷹之議員及び立法担当官と語る経済安全保障の最前線セミナーに向けて） | 著書/論文 | 長島・大野・常松法律事務所, 9月 16, 2025にアクセス、 https://www.noandt.com/publications/publication20240501-1/
有事を見据えた対応能力の確保を経済安全保障推進本部が提言 | 政策 | ニュース | 自由民主党, 9月 16, 2025にアクセス、 https://www.jimin.jp/news/policy/210740.html
衆議院議員小林鷹之（こばやしたかゆき） - 自由民主党, 9月 16, 2025にアクセス、 https://www.jimin.jp/member/102061.html
小林鷹之元経済安全保障担当相、「台湾を孤立させてはならない」と訴え - Taiwan Today, 9月 16, 2025にアクセス、 https://jp.taiwantoday.tw/149/271478
頼清徳総統が小林鷹之元経済安全保障担当相と会談、「非レッド・サプライチェーン」構築で台日連携呼びかけ, 9月 16, 2025にアクセス、 https://www.roc-taiwan.org/jp_ja/post/105006.html
鷹之政経フォーラム, 9月 16, 2025にアクセス、 https://www.soumu.go.jp/senkyo/seiji_s/seijishikin/contents/SS20231124/1036800042.pdf
【開催報告】小泉環境大臣等が「科学、イノベーションと海洋基盤を通じた経済再生」について熱論（詳細） | 新着情報 | 海洋政策研究所 - 笹川平和財団, 9月 16, 2025にアクセス、 https://www.spf.org/opri/news/20200915_2.html

問題提起

第1章：日本のカーボンプライシングの現在地と制度的背景

1.1 J-クレジット制度の現状と課題

1.2 GX-ETSへの移行：制度設計と今後の展望

1.3 産業界の視点：経団連の提言と政策的影響

第2章：総裁選候補5名の環境・エネルギー政策の徹底比較

2.1 高市早苗氏：国家安全保障と革新技術主導のエネルギー戦略

2.2 小泉進次郎氏：「再エネ最優先」と市場メカニズムの推進

2.3 茂木敏充氏：経済成長のエンジンとしてのGX

2.4 林芳正氏：国際協調を軸とする現行政策の継承

2.5 小林鷹之氏：経済安全保障を基軸とした環境技術戦略

表1：候補者の環境・エネルギー政策 比較マトリクス

第3章：総裁選の結果がカーボンクレジット市場に与える影響のシナリオ分析

3.1 【小泉シナリオ】規制強化と市場拡大

3.2 【茂木シナリオ】産業界主導の緩やかな市場形成

3.3 【高市・小林シナリオ】技術主導・国家プロジェクト優先

3.4 【林シナリオ】現状維持と予測可能性

表2：総裁選の結果がカーボンクレジット市場に与える影響予測

結論

分析の総括

カーボンクレジット市場への最終的示唆

日本のカーボンニュートラルへの展望

引用文献

表1：候補者の環境・エネルギー政策比較マトリクス