こんにちは!サステナ編集部です。ようやく暑さも落ち着き、最近は肌寒い日も増えてきて季節はもうすっかり秋ですね!さて、11月1日より、東証カーボン・クレジット市場では現行のJ-クレジットに加えて、新たにGXリーグの自主的な排出権取引(GX-ETS)における「超過削減枠」が売買の対象として追加されます。そこで今回は、超過削減枠について解説を行うとともに、その取引についてもご説明していきたいと思います。「超過削減枠」とは?東証カーボン・クレジット市場東証カーボン・クレジット市場は、カーボン・クレジットの取引を行う市場として、2023年10月11日に開設されました。市場開設から1年が経った2024年10月10日時点で、参加者は297者、累計売買高は52万t-CO2となっています。超過削減枠追加の背景「超過削減枠」はGXリーグに参画する企業(Group G企業:直接排出量が10万トンCO2相当以上の参画企業)の排出削減量です。GXリーグ参画企業は、各企業が排出削減目標を掲げ、その達成に向けた排出削減の取組みを行う必要があります。2024年10月末以降、目標達成に基づく削減量が「超過削減枠」として創出され、東証カーボン・クレジット市場での取引が可能となります。超過削減枠の取引について売買を行うための手続き①カーボン・クレジット市場の参加者登録超過削減枠の売買をするにあたり、まずはカーボン・クレジット市場の参加者登録が必要です。既にカーボン・クレジット市場(J-クレジット)に登録している場合は、改めて参加者登録をする必要はありません。②売買の対象として超過削減枠を指定参加者登録を行ったら、売買の対象として超過削減枠を指定します。③超過削減枠のクレジット口座開設と追加書類の提出売買には超過削減枠のクレジット口座を開設し、証明書類を提出する必要があります。詳細についてはJ-クレジットやGXリーグの公式サイトをご確認ください。超過削減枠の制度概要J-クレジット取引との大きな違いは、取引頻度が週1回金曜日のみという点です。以下に主な違いをまとめています。項目超過削減枠J-クレジット売買可能な参加者カーボン・クレジット市場参加者のうち、超過削減枠のクレジット口座を開設している者(GXリーグ代表参画企業)J-クレジット口座を保有する法人、政府、地方公共団体又は任意団体売買の方法午後1回(15:00)午前1回(11:30) / 午後1回(15:00)注文受付時間8:00-14:598:00-11:29 / 12:30-14:59決済日約定成立日から起算して10営業日まで約定成立日から起算して6営業日売買日2024年11月~2025年2月における毎週金曜日東証の定める休業日、東証が必要と認める臨時休業日及び臨時休場日以外約定結果の公表売買日の夕方目途毎営業日の夕方目途超過削減枠に係る登録を済ませたら、カーボンクレジット市場システムの左上にあるタブでJ-クレジットと超過削減枠を切り替えることができます。日本の排出権取引(GX-ETS)のこれから現在、日本の排出権取引制度(GX-ETS)はまだ試行段階にあります。11月1日からはじまる超過削減枠の取引は、2026年度からの本格稼働を見据えた設計の一環です。現在はGXリーグに参加している企業が自主的に排出権取引を取り組んでますが、今後は義務的な参加も検討されています。まとめ今回は、11月1日から東証カーボン・クレジット市場で取引が開始される「超過削減枠」について、その仕組みと取引についてご紹介しました。GXリーグの取り組みにより、企業は自ら設定した排出削減目標に向けた努力が評価され、達成した削減量を取引可能な資産として活用できるようになります。今後制度が本格化していき、取引手続きの流れや取引条件といった部分が整備されて取引が活発に行われることで、GX-ETSは日本の脱炭素社会実現に向けた重要なステップとなります。排出権取引にご興味を持たれました企業様は、まずはGXリーグに参加してみてはいかがでしょうか。出典:東証「カーボン・クレジット市場 超過削減枠の登録・指定に係る説明会」 GXリーグ「排出量取引制度(GX-ETS)」関連記事:2024年度GXリーグ参画企業発表新規参画は179者