ゴルフ場はなぜ環境破壊といわれるのかこんにちは、サステナ編集部です。しばしば、ゴルフ場が環境を破壊しているといった意見を耳にします。例えばスペインでは、2023年に環境活動家らによって、水が過剰に使用されているとして、ゴルフコースのホールカップをセメントでふさぐなどの迷惑行為を行ったという事例もあります。これは当時のスペインで深刻な干ばつがあったという背景もありますが、紳士のスポーツであるゴルフが環境破壊の象徴とされているのは驚きですね。どういった理由で環境破壊といわれているのでしょうか。それは、ゴルフ場の建設により森林伐採、土地の形状・性質変更が行われることで、森林減少や野生動物の住みかの減少につながるためです。また、近年はみられなくなりましたが、芝の管理のために使用される農薬が漏出することにより環境破壊につながるとされていました。このように、ゴルフ場は環境破壊につながるという評価もあるのです。ゴルフ場の環境によい側面は?前段ではゴルフ場は環境を破壊しているのでは?というお話をしましたが、実は環境によい側面もあるのです。環境によい側面としては、以下のものがあります。省エネ、再エネのポテンシャルがある炭素固定ポテンシャルがある生態系の保全につながる省エネ、再エネのポテンシャルがあるゴルフ場では、設備の維持管理のために化石燃料や電力などを利用していますが、その利用量を減らす省エネや、再エネの取り組みがみられます。例えば、照明をLEDといったエコなものに切り替えることや、給湯用のボイラーの燃料を化石燃料から木質バイオマスに変更すること、太陽光パネルの設置などの事例が存在します。炭素固定ポテンシャルがある広大な土地を持つゴルフ場は、大きな炭素固定ポテンシャルを持っています。実際に炭素固定を行った取り組みとして、周辺で出た剪定枝をもとにバイオ炭を製造し、それを土地に施用することで炭素を固定し、カーボンクレジットを創出した事例があります。このように、ゴルフ場は大きな炭素固定ポテンシャルを有しています。生態系の保全につながる森林は適切な管理を行うことでCO2吸収量の増加、生態系の保護につながる側面があります。ゴルフ場に存在する林は一般的に適切に管理されており、生態系の保全に貢献しています。また余談ですが、ゴルフ場の生態系が薬の開発に役立った事例があります。2015年にノーベル医学・生理学賞を受賞した大村智先生は、川奈ホテルゴルフクラブの土をもとにイベルメクチンという新薬を作ったのです。このようにゴルフ場は生態系の保全に寄与している側面があるのです。最後に、こうした環境保全の取り組みはプレーをする皆さんの協力があってこそです。例えば、洗面所や大浴場における節水や、タバコの吸い殻やゴミのポイ捨てをしないことなど様々です。こうした取り組みをすることで、環境はもちろん、スコアもよくなるかもしれません!みなさんが楽しいゴルフライフを送れるよう祈っています!