こんにちは!サステナ編集部です!2月23日は「富士山の日」!SNSでも美しい富士山の写真がたくさん投稿されています。しかし…観光客が増える一方で、富士山の環境、大丈夫なのでしょうか?実は2013年の世界遺産登録前、富士山はごみ問題*など環境汚染が深刻で、世界遺産登録が見送られた過去があります。世界に誇るシンボル・富士山を未来に残すために、いま地元で進むサステナビリティの取り組みや、私たち観光客にできるエコアクションをまとめてみました!富士山の環境問題とその対策富士山は人気観光地ゆえの環境問題を抱えている。登山者増加によるごみの放置、山上のトイレ事情、大気汚染(車の排ガス)などが主な課題だ。それぞれどんな問題が起きていて、どんな対策が取られているのかを見てみましょう。登山ごみ問題夏の登山シーズンになると、登山道や周辺にペットボトルやお菓子の包み紙、タバコの吸い殻など様々なごみが散乱します。標高が高く気温が低い富士山ではごみの分解が遅く、いつまでも残って環境を損ねてしまいます。さらに野生動物がごみを食べて中毒を起こす恐れもあり、景観だけでなく生態系への悪影響も深刻です。対策1998年設立のNPO法人「富士山クラブ」は地元企業や学校も巻き込み、年間60回以上の大規模清掃を実施。子どもから高齢者まで延べ6000人以上が参加し、毎年数十トンのごみを回収している。こうした継続的な清掃と啓発のおかげで、近年五合目より上の山岳部ではごみはほとんど見られなくなってきました。また静岡県・山梨県では「ごみ持ち帰りマナー向上キャンペーン」を展開し、登山者に自分のごみを持ち帰るよう呼びかけています。トイレ問題かつて富士山の山小屋トイレは汚水を地下に浸透させる方式で、適切に処理されず「白い川」と呼ばれる汚水漏れまで発生していました。登山客増加でトイレ不足や悪臭も問題となっていました。対策2000~2002年に「富士山トイレ浄化プロジェクト」が行われ、微生物で排泄物を分解し堆肥化するバイオトイレが山小屋に導入されました。山小屋と連携しながら改良を重ねた結果、過酷な山上でもバイオトイレは機能し、従来型トイレから次々と切替え完了。行政も補助金制度を設け普及を後押しし、平成18年度(2006年)までに五合目以上の全ての民間山小屋(42箇所)で環境配慮型トイレ整備が完了。環境省も山頂や五合目にバイオ式などの公衆トイレを設置し、現在五合目より上ではトイレ汚水問題はほぼ解消されています。大気汚染富士山麓へは五合目付近までマイカーでアクセスできるため、夏の登山シーズンには各登山口の五合目駐車場が満車になり、駐車待ちの車で数キロの渋滞が発生し、大量の排気ガスが周辺の大気を汚染する事態にもなりました。対策利用者の多い山梨県側の富士スバルラインや、静岡県側の富士山スカイライン・ふじあざみラインでは、毎年7月上旬~8月末にかけてマイカー規制(私有車乗り入れ禁止)を実施しました。五合目へはシャトルバスやタクシーに乗り換えてもらい、渋滞と排ガス削減につなげている。さらに富士山では珍しい取り組みとして、EV(電気自動車)や燃料電池車(FCV)に限り規制期間中も通行を認める優遇措置も導入しています。クリーンエネルギー車での来訪を促すことで、大気汚染対策と観光利便性の両立を図っています。また、駐車場でのアイドリングストップもマナーとして呼びかけられている。旅行者ができるエコアクション富士山を訪れる私たち観光客も、すぐできるエコアクションで環境保全に参加しましょう。ごみを持ち込まない&持ち帰るマイボトル&マイバッグを携帯公共交通やシャトルバスを活用地元に優しいお土産選び富士山のマナーを守るちょっと意識するだけで、富士山旅行はぐっとエコになります。「自分ひとりの行動で変わるのか」と思うかもしれないが、その積み重ねが富士山の未来を左右します。ぜひチャレンジしてみましょう。富士山を未来に残すために富士山の日にちなみ、観光地でのサステナビリティの取り組みと私たちにできるエコアクションを紹介しました!雄大な富士山の恵みに感謝し、その普遍的価値を次世代に継承していくことは、私たちみんなの使命です。美しい富士山を未来の子どもたちにも見せてあげたいですね。