ヤシマ作戦とは皆さんはヤシマ作戦という言葉を聞いたことはありますか?ヤシマ作戦とはアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」の作中用語で第六話『決戦、第3新東京市』のラミエル戦にて行われた作戦の名称です。 ラミエルの見た目は青い正八面体をしており、機械とも女性の声とも聞こえる音を一定間隔で発しながら浮遊移動します。他の使徒と同様に強固なA.T.フィールドによって通常兵器は無効化する上、自身の体を自在に変形させて高粒子砲によって迎撃を行うことでジオ・フロントへの侵入を阻む手段がなくなりました。 そこで計画されたのが「ヤシマ作戦」です。日本列島の電力全てを徴収し、改造陽電子砲(ポジトロンスナイパーライフル)に充填することでラミエルのコアを一撃で破壊する攻撃を目論みます。 結論から言えば、この攻撃によってラミエルを撃退することができたのですが、ここではメタ的な視点からヤシマ作戦によって日本全国から集められた電力から計算した陽電子砲のコストとさらにそれをオフセットするための費用を試算したいと思います。ヤシマ作戦で使用された電力量は1億8000万kWh 作品の設定上、ヤシマ作戦によって要した電力量は1億8000万kWhと言われています。環境省が公表している2022年度の一般家庭が1日に使用する電力量はおおよそ12kWh前後です。そのため1億8000万kWhは約1,500万世帯分の電力量が使われた計算になります。現在の電力単価31円/kWhで計算すると、作戦の電気代は約55億円!ミサイル兵器であるICBMの価格が3-4億円と言われているので、ラミエルを一撃で倒せる超高威力な武器とはいえ、とてもコストの高い作戦ですね。 使用電力量から環境コストを算出してみようさらに使用電力にかかるCO2排出量も計算してみましょう。温室効果ガス排出量算定・報告・公表制度に基づいた東京電力の2022年度CO2排出係数(速報値)は、0.376kg-CO2/kWでした。これを基にするとヤシマ作戦の使用電力のために排出されたCO2は6,768万kg!約67,680トンのCO2を排出したことになります。現時点のJークレジット再エネの価格は約3000円なので、この作戦にかかったCO2をカーボンクレジットでオフセットしようとすると大体22億円必要となる計算です。これからはプロジェクト予算に環境コストを考慮する必要がある2023年6月、国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)はIFRS S1基準「サステナビリティ関連財務情報の開示に関する全般的要求事項」及びIFRS S2基準「気候関連開示」を公表しました。IFRSに準拠している企業はGHGプロトコルに従って算出したCO2排出量を有価証券報告書に記載することが義務付けられます。JGAAPにおいても日本版S1・S2基準の開発に関する審議を実施中であり、今後多くの日本企業でもCO2排出量の可視化が急務になる見込みです。今回の記事で簡易的に試算したヤシマ作戦では22億円もの環境コストがかかることからもわかるように、これからの企業経営では各プロジェクトの予算に想定GHG排出量とオフセットコストを試算しておくことは必須になるでしょう。当社は脱炭素経営に向けたロードマップ策定支援やカーボンクレジット創出・売却事例を多数取り扱っておりますので関心がございましたらご連絡下さい。日本GXグループ株式会社address:東京都中央区八丁堀3-16-6 東八重洲プレイスB1Fご相談窓口:info@jp-gx.com