本ページでは、環境問題に焦点を当てたNGO団体であるCDPが2024年2月に発表した、2023年にCDPでAランク評価を獲得した企業について共有します。昨年に続き、花王株式会社が気候変動・水セキュリティ・森林の3カテゴリーすべてでAランクの評価を獲得しました。加えて昨年度は気候変動と森林でAランクを獲得したものの、水セキュリティがBランクだった積水ハウスが、今年は見事トリプルクラウンを達成しています。CDPとは?出典:https://japan.cdp.net/scoresCDPとは?と思う方も多いと思いますので簡単に説明すると、CDPは、健康的な経済を地球と人々のために維持することを目指している組織のことで、この組織は、企業や地方自治体に対して環境問題に関するデータの開示を推進しています。CDPによって収集されたこれらの情報は、単に環境への影響だけでなく、世界中の投資家、ビジネスリーダー、政策立案者たちの決定を大きく左右しています。気候変動・水セキュリティ・森林それぞれに関してCDPから用意された質問書に対して、各企業ごとの取り組みや考えを回答し、CDP側が採点して評価を公表しています。花王・積水ハウスがトリプルクラウンを獲得なんと花王4年連続では3分野すべてで最高評価のAランクを達成しました。具体的な施策として、バイオマスを熱利用するプラント設置したり、食器用洗剤のキュキュットにおけるプラスチック使用量を従来比約40%減らした容器を実用化するなどして、バリューチェーン全体を通して環境負荷を下げる取り組みを行っていたことが評価されたと考えます。昨年はトリプルクラウン達成企業は日本国内で花王だけでしたが、今年は積水ハウスも見事トリプルクラウンを達成し、世界でも10社しか達成していないリストに名を連ねました。昨年惜しくもBランクだった水セキュリティ分野に関しては、工場における循環水利用を行うなど取り組みを強化し、Aランク獲得に至ったと考えます。日本全体の動向出典:https://japan.cdp.net/scores日本全体では気候変動分野で109社、森林分野で7社、水セキュリティ分野で36社がAランク評価を獲得しました。Aランク獲得企業数20222023気候変動75社109社森林35社36社水セキュリティ4社7社2022年と比べると、気候変動分野では大きく増加がみられます。森林、水セキュリティはまだ開示の取り組みが浸透していない部分や、業態によりそもそも回答が難しい分野ということもあり微増という結果になっています。おわりに日本では、2030年に炭素排出量46%減(2013年比)という大きく高い目標があります。そのために個人・企業が何を行えるのかが上記目標およびカーボンニュートラル達成のカギになります。CDPもその中の一つの大事な取組みとなり、日本全体、そして世界中で多くの企業が来年以降更に良い評価を獲得することを目指しています。