こんにちは!サステナ編集部です!近年、カーボンニュートラルに向けた取り組みが加速しています。企業の温室効果ガス排出量を正確に測定・報告できる人材への需要が高まっています。こうした背景から、炭素会計に関する資格制度が国内外で整備・拡充されています。本記事では、2025年時点の最新情報を基に、国内外の炭素会計関連資格を包括的にまとめました。国内の炭素会計関連資格(最新情報)日本では政府のカーボンニュートラル宣言を受け、企業のGHG排出量算定や気候関連情報開示の専門人材育成が急務となっています。環境省は2023年に「脱炭素アドバイザー資格制度認定事業」を開始し、民間資格の公的認定も進んでいます。炭素会計アドバイザー資格炭素会計アドバイザー資格は、日本初の民間カーボン会計専門資格として創設されました。本資格は、GHG排出量の測定方法や国際基準に沿った情報開示、削減計画策定に関する知識を体系的に習得できることを目的としています。企業や自治体、金融機関など、脱炭素経営を推進する各分野の担当者を主な対象としています。資格は難易度に応じて3級、2級、1級、Professionalの4段階に区分されています。3級は入門レベルであり、基本的な用語や考え方の理解を求められます。2級では国際ルールに基づく詳細な排出量算定方法や科学的根拠に基づく目標(SBT)の概要を学びます。1級では、企業の脱炭素経営において実践的なアドバイスが可能なレベルを目指します。最上位のProfessionalは、上場企業の気候財務情報開示について国際基準で助言できる高度な専門家を認定します。受験資格に関しては、学歴や職歴の要件はなく、誰でも3級から受験可能です。ただし、協会会員と一般受験者で受験料の区分が異なります。試験は講習(任意受講)と筆記試験で構成され、オンライン形式で定期的に実施されています。3級試験では基本用語の理解を問う問題が中心ですが、級が上がるにつれ実務的な内容が増えます。合格後も最新知識の習得を目的とした定期的な更新研修が求められます。受験料は3級で約8,800円、2級で約13,200円、1級で約19,800円程度です。協会会員の場合は割引が適用され、料金が低減される仕組みとなっています。2025年に向けて、炭素会計アドバイザー資格は環境省認定を取得し、企業内での資格取得奨励が広がっています。今後、1級やProfessional試験の実施が予定されており、国際基準を取り入れたカリキュラムのアップデートが進められています。関連記事:炭素会計アドバイザー3級 合格体験記!初心者が15時間で合格できた勉強方法!!https://sa-today.jp/articles/carbon-accounting海外の炭素会計関連資格(最新情報)海外では各国でGHG排出量の算定や報告に関する専門資格が整備されています。特に欧米では、気候関連情報開示規制や国際基準の導入により、カーボンアカウンティングの専門家の需要が急増しています。Certified Climate Change Professional (CC-P)Certified Climate Change Professionalは、気候変動分野の知識・スキル・経験を認定する国際資格です。本資格は、気候変動リスクの管理や戦略的対策の実践能力を証明することを目的としています。企業、政府機関、コンサルタントなど、幅広い分野で活躍する中堅以上の気候変動担当者を対象としています。試験は複数モジュールのオンライン筆記試験で構成され、基礎から応用まで幅広い知識が求められます。難易度は中~上級であり、一定の実務経験が求められます。受験方法はオンラインポータルを通じた受験となり、試験日は通年で柔軟に設定されています。受験料は約400ドル前後となっています。合格後は、年会費や継続教育単位の取得により3年ごとの更新が必要です。Certified Carbon Auditing Professional (CAP)Certified Carbon Auditing Professionalは、企業のカーボンフットプリント算定や削減戦略の立案、審査の専門家を認定する資格です。もともとはCertified Carbon Reduction Managerとして運用されていましたが、最新のカーボンニュートラル潮流に合わせて改編されました。本資格は、エネルギー管理や環境管理の知識に加え、GHGプロトコルやISO規格に基づくスキルを認定します。企業のサステナビリティ担当者、環境コンサルタント、エネルギー技術者などが主な対象です。試験はオンラインまたは会場での筆記試験で実施され、幅広い知識が問われます。受験には実務経験が推奨され、試験合格後は3年ごとの更新が求められます。受験料は約300~400ドル前後です。その他の国際的資格・プログラム国際財務報告基準財団が提供するFundamentals of Sustainability Accounting Credentialは、サステナビリティ情報と企業価値の関連性を理解するための資格です。本資格は、2段階の試験合格により、財務分析にサステナビリティ情報を統合する知識を証明します。また、カナダ規格協会が運営するCertified GHG Verifierは、GHG排出量の検証に関する専門資格です。ISO 14064に基づく温室効果ガス検証の技能を認定し、3年ごとの更新制となっています。これらの資格は、国際標準に基づく知識・技術を証明するものであり、グローバルな企業での評価やキャリアアップに直結するメリットがあります。資格の比較一覧以下に、国内資格と海外資格の主要項目を比較しやすいように一覧表にまとめました。資格名・区分運営団体(国)レベル・難易度試験方式・頻度受験料目安炭素会計アドバイザー資格(3級・2級・1級・Professional)炭素会計アドバイザー協会(日本)4段階(初級~プロ)オンライン試験(年数回実施)3級約8,800円~1級約19,800円Certified Climate Change Professional (CC-P)ACCO(米国)中~上級オンライン試験(複数モジュール)約400ドルCertified Carbon Auditing Professional (CAP)AEE(米国)上級オンラインまたは会場で実施約300~400ドルFundamentals of Sustainability Accounting CredentialIFRS財団(国際)2段階(中級)オンライン試験(2部構成)約600ドル前後Certified GHG VerifierCSAグループ(カナダ)上級会場試験(筆記試験)約800ドル国内資格は段階制により入門者からプロフェッショナルまでステップアップできる仕組みが整っています。一方、海外資格は単一レベルの専門資格が多く、一定の実務経験と英語力が求められます。費用面では、国内資格は比較的低額で挑戦できる一方、海外資格は取得に際して費用がかかります。しかし、海外資格は国際的な認知度が高く、グローバル企業での評価が期待できます。以上、2025年最新版の国内外炭素会計関連資格をまとめました。気候変動対策が本格化する中、炭素会計スキルはますます重要になります。各資格の詳細や最新情報は公式情報を確認しながら、キャリアアップに役立ててください。参考リンク(公式情報):炭素会計アドバイザー資格 – 一般社団法人炭素会計アドバイザー協会https://www.caai.or.jp/licence/index.html