はじめにみなさんこんにちは!サステナ編集部です!2025年もプロ野球のシーズンがやってまいりました!NPB最強クローザーのライデル・マルティネス選手や日本代表捕手の甲斐選手が読売巨人軍に移籍したり、佐々木朗希選手らのMLB挑戦など、熱々のストーブリーグが終わり、各球団がキャンプに精を入れています!今回は、飛ばないボールやストライクゾーン変更での影響と環境負荷について解説したいと思います!2024年度の考察記事はこちら!https://sa-today.jp/articles/2024npb-ball1. なぜ投高打低が続いているのか?1-1. 投手育成の進化近年はトラックマンなどのデータ分析機器が普及し、投手個々のフォーム解析や球質の向上が進みました。球団ごとの育成メソッドも年々洗練され、先発・中継ぎ・抑えの分業がより確立し、試合後半の得点が入りにくくなる状況が当たり前になっています。1-2. ボールの仕様NPBでは、過去にボールの反発係数が変更され、大幅に本塁打数が減る“飛ばないボール”の時期がありました。近年は極端な変更はないものの、依然として「以前ほどは本塁打が出にくい」という印象を持つファンは少なくありません。小さな反発係数の調整だけでも、リーグ全体の打撃成績に大きな影響を及ぼします。1-3. 打者側のアプローチは?一方で、打者側もデータ活用やスイング改造(いわゆる“フライボール革命”)に取り組んでおり、一部の強打者は本塁打や長打を増やしています。しかし、投手力の底上げと相殺され、リーグ全体としては打率が上がりにくく得点力も伸び悩む「投高打低」が続く構図になっています。2. 2025年も飛ばないボールが採用されるのか?2-1. ボール変更の背景ボールを「飛ぶ」「飛ばない」に調整する要素として、反発係数のほか、糸の巻き方や芯材の硬さなど、製造工程で多くのパラメータを管理する必要があります。大幅なバランス変更はリーグ全体の打撃成績や記録を左右するため、慎重に行われるのが一般的です。ボールが飛ばないメリット投手有利の試合展開で競技性が高まりやすい(戦略的試合展開)本塁打数がやや抑えられ、試合時間の長時間化を防ぐ可能性があるボールが飛ばないデメリット打者にとって魅力的な長打シーンの減少得点力低下による観客の興味がそがれる可能性“ボール不正疑惑”などの混乱が起こるリスク(過去の例)2-2. 製造コストと環境負荷実はボールの仕様を大きく変更する場合、製造工程にも影響が出ます。従来のラインとは異なる仕様で大量生産を行うため、新たな素材調達や試作品テストの繰り返しでコストがかさむほか、エネルギーや資源の追加消費も無視できません。素材変更に伴う環境負荷たとえばゴムやウールの種類が変われば、その生産・調達ルートも見直さなければならず、輸送や製造過程でのCO₂排出量が増える可能性があります。廃棄リスク不適合と判断された試作ボールを廃棄する際にも環境負荷が発生するため、リーグ側も「軽々しく仕様変更に踏み切れない」現実があります。3. ストライクゾーン変更と試合時間の関係3-1. ストライクゾーンの運用NPBではストライクゾーンの厳密化が進んでおり、投手の投球精度や審判の判定傾向によって試合展開が変わります。ゾーンが狭いと感じられれば投手は四球を出しやすくなり試合時間が長引く場合がありますし、広いと感じられれば打者は不利になり、打撃成績が下がることも考えられます。3-2. “自動ボール・ストライク判定(ABS)”の検討MLBでは一部マイナーリーグで導入され、日本でも今後テストが進む可能性があるABS。これが導入されると、人間審判の判定誤差が減るため、投手の制球力がさらに重要になります。結果的に打者が見逃し三振を取られるケースも増えるかもしれません。https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/ab4cf084573b1c3c6170f2531e00d99acb0907033-3. 試合時間が短くなることでの省エネ近年は、投手有利のロースコア試合や打者の積極性の低下により試合時間がむしろ長引く面もありました。しかし、スピードアップルールやABSによるスムーズな判定が徹底されれば、投球間隔の短縮や無駄なチャレンジ回数の減少で試合時間が短くなる可能性があります。省エネ効果球場照明や電力消費、飲料水の使用量などは、試合時間に比例して増える傾向があります。試合時間の短縮は、スタジアムの電力使用量削減や機材稼働時間の減少につながるため、エコの観点からも望ましいとされています。4. 投高打低継続が与える環境面への影響4-1. ロースコア試合による“省エネ”メリット投手が優勢で得点が少ないと、攻守の切り替えが比較的スムーズに進む傾向があります。特に延長戦が少なくなれば、球場の照明・放送関連機器などの稼働時間が減り、省エネに寄与する面は否めません。4-2. 長引く投手戦が招く懸念一方で、投手交代が頻繁に行われる試合はテンポが悪くなりがちです。マウンドへの移動や投球練習などで時間がかさむと、結局は試合全体としての運用エネルギーが増える可能性もあります。投手戦=必ずしも省エネではない点は注意が必要です。4-3. 試合時間短縮とファンサービス試合時間が短くなるとファンの満足度が下がるという声もありますが、逆にテンポの良い試合や演出時間の最適化により、エンターテインメント性と省エネを両立できる余地もあります。リーグや球団がいかに工夫するかがカギとなるでしょう。5. まとめ:2025年も投高打低は続くのか?以上の要素を総合すると、2025年も投高打低が続く可能性は高いといえます。投手育成・分業制の成熟により、一層の防御率安定が見込まれる。ボールの仕様変更やストライクゾーン運用の大幅変革がない限り、短期的に打者が大きく巻き返すのは難しい。試合のスピードアップが進めば省エネ効果が期待できる一方で、ボールの大規模変更には製造コストや環境負荷の問題があるため、慎重に進められると考えられる。ただし、MLBで進む*自動ボール・ストライク判定(ABS)*の導入や、反発係数を見直したボールがいきなり採用されるなど、NPBとして大きなルール変更があれば、リーグ全体のバランスが一変する可能性も残されています。■ 結論投高打低はまだまだ続く見通し。飛ばないボールやストライクゾーン変更は、短期的な大きな動きはないが注目ポイント。試合時間短縮による省エネはメリット大だが、一方で製造コストや環境負荷にも配慮が必要。野球の魅力は投手と打者の駆け引き。投高打低のままでも、競技そのものの面白さは失われませんし、むしろ戦略性が増すとも言えます。とはいえ、華やかな長打や本塁打が演出する魅力も野球の醍醐味のひとつ。ボールやストライクゾーンの変更、さらには環境への配慮を含めて、NPBがどう舵を切っていくのか。2025年以降も引き続き注目していきましょう。2024年度の考察記事はこちら!https://sa-today.jp/articles/2024npb-ball